子宮頸がん手術後の後遺症まとめ

どのような病気の手術でも、身体にメスを入れる以上は後遺症のリスクはつきものです。もちろん子宮頸がんの手術でも、何らかの後遺症が残る可能性はあります。

特に頻度の高い後遺症としては、リンパ節郭清をした後のむくみ(リンパ浮腫)や、傷跡の癒着などです。

また切除する範囲が広ければ広いほど、さまざまな後遺症が残るリスクが高くなり、場合によっては排尿障害や排便障害、更年期症状などが出ることもあります。

ここでは、子宮頸がんの手術後に起こり得る後遺症についてまとめました。

子宮頸がん手術後の後遺症―リンパ浮腫(むくみ)

子宮頸がんの手術でリンパ節郭清を行なった場合は、リンパ浮腫と呼ばれるむくみが出やすくなります。

全身を流れるリンパ液は、ところどころにあるリンパ節を経由しながら流れますので、それが手術の際に失われてしまうと、一部のリンパ液の行き場がなくなってリンパ管の内圧が高くなります。

その結果、むくみという形で表れてくるのです。

リンパ節を切除しても、流れが滞らないように別のルートが自然に作られますので、基本的に大きな問題はないのですが、むくみの出方には個人差が大きく、まったく出ない人もいれば日常生活に支障をきたす人もいます。

子宮頸がんの場合は、足や外陰部、下腹部などがむくみの出やすい部位です。

むくみのある人は、リンパの流れを良くするストレッチや運動をしたり、足をなるべく高くして休んだりするようにするなど、日ごろからのセルフケアが必要です。

むくみが出にくくなる弾性ストッキングも販売されています。

子宮頸がん手術後の後遺症―更年期症状

子宮頸がんの手術の中でも、もっとも切除範囲の広い「広汎子宮全摘出手術」を行なった場合、さまざまな後遺症が出てくる可能性があります。その一つが、卵巣の摘出による更年期症状です。

卵巣は排卵を起こすだけではなく、エストロゲンをはじめとする女性ホルモンを分泌する臓器でもありますので、手術で左右両方とも摘出すると、ホルモンバランスが大きく乱れます。

ちょうど閉経を迎えて、卵巣機能が停止した時と同じような状態になるため、ほてりやのぼせなどの「ホットフラッシュ」と呼ばれる症状や、抑うつ感やイライラ感などの精神症状、また頭痛、めまい、吐き気など、人によってさまざまな症状が現れる可能性があります。

またエストロゲンには骨を丈夫にする作用もあるため、分泌されなくなると骨粗しょう症にかかりやすくなる点も問題です。術後は必要に応じて、ホルモン補充療法を行なうことを検討します。

子宮頸がん手術後の後遺症―排尿障害や排便障害

広汎子宮全摘出手術では、卵巣や卵管などを含めて広く切除しますので、それだけ骨盤内にある神経を傷つける可能性が高くなります。

最近では、できるかぎり神経を温存する方向で慎重に手術が行なわれますが、それでもリスクはゼロではありません。

たとえば膀胱に関連する神経がダメージを受けた場合は、尿意を感じにくくなる、尿が出にくくなる、残尿感がある、などの排尿障害がみられることがありますし、腸に関連する神経が傷ついた場合は、便意を感じにくくなる、残便感があるなどの排便障害につながります。

ただし、傷ついた神経は時間とともに回復することが多いため、これらの後遺症も一時的なもので済む可能性は十分にあります。病院ではリハビリも行なわれますので、術後は少しずつ感覚をとりもどしていきましょう。

子宮頸がん手術後の後遺症―腸閉塞

子宮頸がんの手術では、子宮のあった場所が空洞になることで小腸が骨盤の底に入り込み、癒着することがあります。

多くの場合は心配いりませんが、さらに術後の放射線療法が重なると炎症が起きやすくなり、腸閉塞を起こす可能性が高まります。

腸閉塞は、腸が完全に癒着して便が通れなくなる状態です。吐き気や激しい腹痛が起こるほか、場合によっては命の危険性もありますので、すみやかに対処しなくてはいけません。

腸閉塞を予防するためには、術後なるべく少しずつ体を動かして、腸の動きを良くし、便秘を防ぐことが大切です。

子宮頸がん手術後の後遺症―精神的な落ち込み

子宮頸がんの手術が、子宮を温存できる円錐切除術で済んだ場合はまだいいのですが、子宮を摘出しなければいけなかった場合、女性として深く傷つき、落ち込んでしまうことも少なくありません。

特に子宮頸がんは、20〜30代など若い年齢でも発症する可能性の高いがんですので、これから妊娠や出産を希望していた方は、ショックもなおさら強いものとなるでしょう。

身体的な後遺症と違い、精神的な後遺症は「これをすれば良くなる」というものはありませんが、必要に応じてカウンセリングなどの心理療法を受けることはできます。

特にがんの治療を行なうような大きな病院には、そうした心のケアを専門とする看護師もいますので、遠慮なく相談してみましょう。

傷が癒えるまでにはある程度長い時間がかかりますが、家族やパートナーにも頼りながら、少しずつ自分のペースで前を向いて歩いていくことが一番です。

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