子宮頸がんのステージ別治療法

子宮頸がんの治療法は、ステージ(病期)によって異なります。

子宮頸がんのステージは、発見された時の状態によって0〜W期までに分かれ、さらにその中でもTA1期、TA2期というように細かく分類されます。

それぞれ腫瘍のサイズや、周りへの広がりなどが違いますので、個々に応じた治療法を選択する必要があるのです。

子宮頸がんは、ごく早期の段階で発見できれば子宮を温存できることもありますが、進行すると全摘出しなければいけなくなる可能性が高まります。

また発見が大きく遅れた場合は、そもそも手術ができないことも少なくありません。

それぞれのステージでどのような治療法が行なわれるかについて、詳しく解説していきます。

子宮頸がんのステージ別・治療アルゴリズム

子宮頸がんの治療の流れは、ガイドラインによると以下のようなアルゴリズムで示されます。

子宮頸がんの治療の流れ

※日本婦人科腫瘍学会編「子宮頸癌治療ガイドライン2011年版」参照

どのがんもそうですが、発見が早ければ早いほど、手術で完治が期待できます。一方、発見が遅れると手術が難しくなり、放射線療法や化学療法などが中心となります。

子宮頸がんの場合は、V期の時点で手術が難しくなる点が特徴です。

ただし化学療法で腫瘍が小さくなれば、その後に手術ができる可能性もありますし、子宮頸がんは放射線療法の効き目がいいため、場合によっては手術と同程度の効果が期待できることもあります。

それぞれのステージ別の治療法を詳しく見ていきましょう。

0期とTA1期の子宮頸がんの治療

子宮頸がんの0期はもっとも早期のステージで、「上皮内がん」とも呼ばれます。がんが、まだ子宮頸部の粘膜の表面だけにとどまっている状態です。

また子宮頸がんの場合、分類によっては、がんの一歩手前である「高度異形成」も0期に含まれます。

0期では、子宮頸部を円錐状に切り取る「円錐切除術」が多く行なわれています。この方法では子宮を温存できますので、将来の妊娠や出産に大きな支障が出ない点がメリットです。

ただし出産の予定がない女性の場合は、再発を確実に防ぐために子宮の摘出手術を選択することもあります。

次のTA1期は、T期の中でも、がんの深さが3ミリ以内の段階です。0期ほどではありませんが、こちらも早期のステージですので、円錐切除術を行なえる可能性は十分にあります。

ただし妊娠希望の有無や、病巣の状態などによっては、単純子宮全摘出術や、準広汎子宮全摘出術(子宮と膣壁を切除する手術)が選択されることもあります。

TA2期〜UB期の子宮頸がんの治療

子宮頸がんのTA2期は、がんの深さが3〜5ミリ以内のステージです。

早期がんではありますが、TA1期と比べると脈管侵襲(周囲の血管やリンパ管にがんが広がること)のリスクが高まることから、子宮全摘手術が標準治療となっています。

ただし脈管侵襲のリスクが低く、患者さんが妊娠を望む場合などは、円錐切除術が選択されることもあります。

より腫瘍のサイズが大きくなるTB期〜U期では、原則として子宮の全摘手術が標準治療です。その後、必要に応じて術後の病理診断を行ない、追加の治療が必要かどうかを検討します。

また子宮頸がんは放射線療法の効き目がいいがんですので、場合によっては手術ではなく放射線療法が選択されます。

特にUB期は、基本的に手術ではなく放射線療法、もしくは抗がん剤と併用する「同時化学放射線療法」を行なうことが一般的です。

V・WA期の子宮頸がんの治療

がんが、骨盤壁や膣壁にまで達するV期以降は、基本的に手術の対象にはなりません。放射線と抗がん剤を併用する「同時化学放射線療法」が標準治療です。

子宮頸がんの同時化学放射線療法では、骨盤への放射線照射に加えて、「シスプラチン+フルオロウラシル」をはじめとする化学療法を行ないます。

ただし個々のケースによっては、術前化学療法で腫瘍を小さくした後に、手術もしくは単独の放射線療法を行なうという可能性もあります。

WB期の子宮頸がんの治療

子宮頸がんのWB期は、「小骨盤腔を越えて、がんの転移がある」段階になり、ステージとしてはもっとも末期となります。

そのため、がんを完治するための積極的な治療はあまり行なわれず、少しでも腫瘍を小さくして生存期間を延ばすための治療が中心です。

WB期の中でも、全身状態が良好で臓器の機能が保たれている患者さんに対しては、全身化学療法が多く行なわれます。

抗がん剤は血液に乗って全身のあちこちに運ばれますので、原発巣、転移巣ともに小さくできる可能性があるからです。

ただしWB期の中でも、肺や特定のリンパ節など、限られた部分にのみ転移している場合は、手術ができることもあります。

この場合は肺切除やリンパ節郭清に加えて、放射線や化学療法を組み合わせることで、長く生存できる可能性もゼロではありません。

一方、全身に複数の転移がみられ、全身状態も良くない患者さんに対しては、苦痛を緩和するための緩和療法が行なわれます。モルヒネをはじめとする鎮痛剤の投与や、腫瘍への放射線療法などが代表的です。

このように、WB期の治療法は一人ひとりの患者さんの状態によって大きく異なってきます。

ちなみに上記のステージ別治療法は、基本的に「扁平上皮がん」のもので、「腺がん」には必ずしも当てはまりません。

腺がんは扁平上皮がんと比べて、リンパ節や卵巣などに転移しやすいため、早期に発見できても子宮の全摘手術になることもあります。

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