子宮頸がんの症状と間違えやすい病気

不正出血やおりものの変化があると、「子宮頸がんかも!」と不安になる方も多いと思いますが、子宮頸がんは比較的珍しい病気です。

罹患者数も、年間10,000人強といったところですので、胃がんや肺がん、大腸がんなどに比べるとかなり少ない部類に入ります。

もちろん、だからといって油断はできませんが、きちんとがん検診を受けている限り、あまり心配しすぎる必要はありません。

また、不正出血やおりものの変化がみられる病気は、子宮頸がんの他にもたくさんあり、確率としてはむしろそちらのほうが高いといえます。

子宮頸がんと症状の似ている、間違えやすい病気をいくつかご紹介しましょう。

おりものの変化→性感染症や、細菌性の膣炎

おりものの変化があった場合は、性感染症や膣炎が疑われます。

現在、日本でもっとも多い性感染症は「クラミジア」です。男性は尿道炎や排尿痛などの症状が出やすいのですが、女性は症状が非常に少なく、あっても「おりものの増加」程度が多いといわれています。

そのため、病気に気づかず感染が続き、細菌によって子宮頸部が炎症を起こす「子宮頸管炎」につながることも少なくありません。

こうなると不妊や子宮外妊娠などのリスクが高まりますので、パートナーにクラミジアの症状が出た場合は、女性も検査を受けることが大切です。

もう一つ、おりものの異常で多いのが「カンジダ膣炎」です。

カンジダは真菌というカピの一種で、もともと膣内に住んでいる常在菌なのですが、何らかの原因で膣内バランスが崩れると、異常に増殖してしまうことがあります。

カンジダ膣炎になると、白っぽいボソボソしたおりものが増えます(よく「カッテージチーズ」に例えられます)。また、膣内や外陰部に強いかゆみをともなうのも特徴です。

膣内に入れる抗真菌薬で、比較的簡単に治療ができますので、かゆみをともなうおりものの異常がみられた場合は、早めに婦人科を受診しましょう。

不正出血・おりものの増加→子宮膣部びらん

子宮膣部びらんは、正式には病名ではなく、「子宮頸部の腺上皮がめくれて、膣部に露出している状態」を指します。

子宮頸がんは「扁平上皮がん」と「腺がん」に分かれますが、このうち腺がんが発生するところが腺上皮です。

本来は子宮に近い、奥まったところにある細胞なのですが、若い女性ではホルモンの影響で、この部分が膣に近い側に突出することがあります。

20〜30代の女性では、実に8割近くにみられるといわれるほど、珍しくはない状態です。

閉経を迎えると、腺上皮は再び子宮頚管の奥へと退縮します。

特に症状がない場合は治療の必要はないのですが、腺上皮は粘液を分泌する部分でもあるため、露出することでおりものの量が増えることがあります。

また、腺上皮は一層の細胞のみでできているため、膣側の扁平上皮よりも刺激に弱く、性交渉などで炎症を起こしやすい点も特徴です。ですから子宮頸がんと同様、性交後の出血もみられやすくなります。

このように子宮膣部びらんは、おりものの増加と不正出血という、子宮頸がんに似た症状が出る上、初期の子宮頸がんと見た目も似ていることから、非常にまぎらわしい状態です。

びらんがある場合は特に子宮頸がんの検査を受け、がんの可能性を排除することが大切になります。

また症状が気になる場合は、レーザー療法や凍結療法などを行なうこともあります。

茶褐色のおりもの・不正出血→子宮頸管ポリープ

子宮頸管ポリープとは、子宮頸部にできる良性のイボです。子宮頸部の慢性的な炎症のほか、出産もきっかけになることがあると考えられています。分娩経験のある、30〜50代の女性に比較的多い病気です。

ポリープは柔らかく充血しやすいため、性交や排便時などにわりと簡単に出血することがあり、血の混じったおりものが出てくることがあります。

またポリープが成長すると、腫瘍に血液が行き渡らなくなることで組織が壊死し、不正出血も起こりやすくなります。

特に症状のない場合は治療の必要はありませんが、出血を繰り返すような場合は手術によるポリープの切除が必要です。開腹の必要はなく、外来で経膣的に行なうことができます。

不正出血・腹痛・腰痛→子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮の内側を覆う子宮内膜が子宮以外の場所に付着し、そこで生育してしまう病気です。月経時に経血が卵管を逆流することが主な原因で、卵巣やS字結腸、直腸、膣、膀胱などによくみられます。

子宮内膜症のもっとも代表的な症状は、重い月経痛です。

子宮以外の場所に付着した子宮内膜も、子宮内の内膜と同じ性質を持つため、月経時に血を排出しようとするのですが、行き場がないため体内に溜まり、嚢胞ができたり癒着が起こったりします。

また月経過多や不正出血、性交痛、腰痛や腹痛などの症状が起こることもあります。特に、卵巣内に血が溜まって「チョコレート嚢胞」ができた場合、破けると激しい腹痛が起こるため、注意が必要です。

他にも、腸に付着した場合は便通障害、膀胱の場合は血尿など、子宮頸がんが進行した時に似た症状が出るケースもあります。

状態に応じて、手術と薬物療法の2種類がありますので、月経痛がひどい女性は一度受診することが大切です。

不正出血・頻尿・腰痛→子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮内にできる良性の腫瘍です。命に関わる病気ではありませんが、人によっては数キロの重さにまで成長することもありますし、部位によっては不妊や流産の原因にもなります。

症状としては、月経過多や月経痛、不正出血、頻尿、腰痛などが代表的です。特に、筋腫が子宮の内側にできた場合は症状が強く、目に見えて月経量が増えます。

子宮筋腫は再発しやすく、また筋腫のみを切除すると出血量が多くなるため、もっとも確実な治療は子宮の全摘手術になります。

ただしこれから出産の希望がある女性は、状態によっては全摘を避けることも可能です。また、筋腫は閉経を迎えると小さくなるため、薬で身体を閉経と同じ状態にする治療法もあります。

筋腫の大きさや部位、また年齢や出産の希望などによっても治療法は変わってきますので、医師とよく話し合うことが大切です。

上記のほか、たとえば血尿なら膀胱や腎臓の病気、また腸閉塞(イレウス)なら腸の病気など、進行した子宮頸がんに似た症状を持つ病気は複数あります。

いずれにしても、症状だけで病名の判断をつけるのは難しいため、気になる症状が続く場合は病院を受診して、検査を受けるようにしましょう。

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